毎日の礼拝

毎日のお話

2024/06/27

津野 博子(国語科)

【聖書:ペトロの手紙一 4章 10節】

「あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい。」

 

 NHKの朝ドラ、『虎に翼』を毎日楽しみに観ている。女性で初めての弁護士に、女性で初めての裁判官に、女性で初めての裁判所長になった実在の人物、三淵嘉子さんがモデルとなっているドラマだ。夢中になって観ているうちに、丸山眞男氏の『であることとすること』という評論の中に語られる「権利の上に眠る者」という言葉について考えてしまった。上で眠るべき「権利」つまり「であること」を持ち合わせなかったヒロインだが、「はて?」という疑問を抱えながらひたすらに自分の「すること」を果たし続けてきたことにより、法曹界で生きていけることとなった。そのことを思う時、生きていく上で私たちが抱えているたくさんの「であること」を、そのままにしてはいないだろうかと思ってしまう。「であること」は「すること」によって初めて「であること」になるのだ。自分の賜物を活かしながら、「すること」を重ねて歩むものでありたい。